使っているグランドハープ My Grand Harps

Lyon & Healy Style 11 クリックすると別ウィンドウで拡大します

Lyon & Healy style11

これはライオン・ヒーリー(米国シカゴ)の、11号という機種です。

このメーカーの量産機種としては最高級のもので、製造台数は少なく、実質上受注生産となっています。気品あふれる優美なアールヌーボー様式のモダンな彫刻に、美しい23金が貼り付けられて、凝ったシェーディングが施されています。

金箔は単なる装飾ではありません。音質にとても影響し、広いホールで演奏する場合でも、遠くまで音が届き、また、音の出が早くなるので、リズミカルな曲も弾きやすく、音の輪郭もはっきりして、マイクでも音が拾いやすくなります。音色には木の暖かさの上に、金の輝きとまろやかさが加味され、エレガンスでお洒落な、独特の雰囲気になります。

この機種の特徴は、なんと言っても冴え渡る音色の華やかさと、はずむような軽やかさ、打てば響く反応の良さ、高音部の残響の長さ、強い勢いの迫力にあります。ネック(高音部の、奏者の肩にかかる部分)が高い位置に引き上げられている設計は、男性には弾きやすく、とてもうれしい事です。非常に個性の強い楽器で、弦の張力が高く音の勢いも強いので、反応の良さと相まって、あばれがちで、手なずけるのに苦労する、という感じです。ごまかしがきかない楽器ともいえます。が、大きな表現が可能となり、楽器のキャパシティとしては、奏者を強く刺激して余りあるものです。

20年以上の間、この機種を録音スタジオはもとより、ホールやイベント会場やホテルや教会や野外や・・・あちこち運びながら演奏してきました。現在、所有しているものは3代めの楽器で、今回は共鳴板の絵柄を特注しました。

特注といっても、この11号の1919年発売当初の原型の装飾を中心に、それ以後のライオン・ヒーリー社の施工例などからプロトタイプを選び、画家の方に色調や雰囲気のイメージを伝え、バリエションを自由に加えて手書きして頂く方法です。「喜び、幸せ、華やか、気品」などをテーマに、でき上がって来たものは、弾いている時はもちろんの事、観ているだけで幸せな気分になるほど素晴らしいものです。(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します。)

Classic Art Noveau styling embellishes this highly carved concert grand harp. The natural maple body and neck arecontrasted by the multiple shadings of 23 karat gold on the column and base. Brass ornamented action plate, unique only to the Style 11, and floral decoratlon on the extended soundboard compliment the graceful lines of this classic harp. 75 1/4 " high; soundboard width 21 3/4 "; 47 strings: 1st Octave G to 7th Octave C;weight 83 Ibs.

style 11,with hand painted soundboard#1 クリックすると別ウィンドウで拡大しますstyle 11,with hand painted soundboard#3 クリックすると別ウィンドウで拡大しますstyle 11,with hand painted soundboard#2 クリックすると別ウィンドウで拡大します11号 王冠部分  クリックすると別ウィンドウで表示します11号 バックプレートの装飾 クリックすると別ウィンドウで拡大します

 

ベイリー・ミルズと彼女のコンボ クリックすると別ウィンドウで拡大します

←私の敬愛するハーピスト、ベイリー・ミルズ(Verlye Mills)は、ずっとこの11号を使っていました。彼女は、クラシックからジャズまで何でも自分でアレンジして弾きこなし、そのテクニックとセンスは抜群です。主にスタジオミュージシャンとして活躍し、スタジオで使うハープは音が硬い方が良い、という持論で、3年毎にこの11号ばかりを買い換えていたそうです。この写真は1950年ごろのものです。彼女の軽い音色と楽器のコンビネーションがピッタリでした。(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します。)

 

 

 

23Gold クリックすると別ウィンドウで拡大します

Lyon & Healy style23

ライオン・ヒーリー(米国シカゴ)の、23号ゴールドという機種です。

この機種の誕生は1895年で、110年以上にも渡り世界中のハーピストに愛奏されてきた、ハープのロングセラー/ベストセラーです。メカニズムには何度も改良が加えられ、近年には上記のSalviHarpsのオーナー、ビクター・サルヴィ氏によって、コンピュータを用いた大幅な変更が施されて、新たな進化を遂げました。

が、全体の意匠や装飾は、登場時から驚くほど変わっていないのです。その均整のとれた完璧なデザインはもとより、鳴りの良さ、弾きやすさ、そして素晴らしく堅牢な設計は絶賛を博し続け、後発の多くのハープの手本となってきました。木の美しさをいかしたナチュラル仕様やウォールナット仕様が定番で、それに比べるとこの23金の貼られたゴールド仕様はぐっと台数が少なくなりますが、ハープといえばこのデザイン、特にこの燦然と輝く大きな王冠をイメージする方が多いのではないでしょうか。ビクトリア調のゴージャスで重厚なデザインは、置いてある時の佇まいはもちろん、演奏中の傾けた状態でも、非常に美しく安定感があります。

音質は、全体に渡る余裕ある響きと、中低音部の甘いふくよかさ、高音部の艶のある華やかさが独特で、外観と同じくハープの中のハープの音という表現がピッタリです。そしてリッチでパワフルな響きは、独奏からオーケストラの中での演奏までオールマイティに実力を発揮し、他の楽器とアンサンブルをする時の、音の溶け込み具合は秀逸です。とても素直な性格の楽器で、その点では上記の11号とは対照的です。どんな状況下でも安定しつつ美しい音が一つにまとまって調和し、音楽をうまく作りあげてくれます。

その安心感こそ、この機種が「銘器」の地位を一世紀もの間、不動のものにしている確かな理由でしょう。(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します。)

Victorian elegance sets this classic apart from the others. Floral and swag carved column and base, gilded in 23 karat gold, highlight the natural maple body and neck. Stylized design on the brushed brass action plates, gold plated crown and gold trimmed decoration on the extended soundboard highlight this harp.74 " high; soundboard width 21 3/4 "; 47 strings: 1st Octave G to 7th Octave C;weight 81 Ibs.

23Goldの王冠の部分 クリックすると別ウィンドウで拡大します23Goldと11号の王冠の部分 クリックすると別ウィンドウで拡大します

23Gold クリックすると別ウィンドウで拡大します23Goldの最高音部分 この装飾の金ライン上の茶色い点々はめずらしいものです クリックすると別ウィンドウで拡大します23Goldの台座の部分 クリックすると別ウィンドウで拡大しま

ミルドレッド・ディリング クリックすると別ウィンドウで拡大します

←この23号ゴールドが最も似合うハーピストは、なんといってもミルドレッド・ディリング(Mildred Dilling)です。いつも笑顔を絶やさず気品に満ちた彼女は、私達に夢と喜びと安らぎと勇気を与えてくれます。First Lady of the Harp のキャッチフレーズで1940年代から世界中を飛びまわり、大活躍しました。(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します。)

 

クリックしてカタログを見る!

←画像をクリックすると、ライオンヒーリーの歴代のカタログと、23号の紹介ページなどを見るページへジャンプします。

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オ マ ケ

Frank Sinatra & Harp !

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